16列全身用コンピュータ断層撮影装置 Revolution ACT
マルチスライスCT(Computed Tomography)スキャナーシステム
当院では、医療機器整備の一環として最新型16列全身用コンピュータ断層撮影装置GEヘルスケア製Revolution ACT を設置しています。
このCTでは、頭部領域の検査において放射線の影響を受けやすいとされる水晶体への被ばくを低減できるODM(Organ Dose Modulation)機能、低被ばくと高画質を両立可能にするASiR(Adaptive Statistical Iterative Reconstruction:エイサー)搭載により、フォロー検査患者や若年患者の被ばく低減を行うことができています。
撮影で得られた画像を様々な角度から評価できるように再構成を行い、肺の微小病変や骨の変形、骨折線なども評価できるようになります。
単純CT
薬等を使用せず、エックス線を使用して目的の部位を撮影する方法です。検査中に体や手足が動くと画像がブレてしまいますので、動かないようにお願いします。
撮影部位に応じて、息を吸って止めたり、息を吐いて止めたり、と呼吸の合図が異なりますので、アナウンスに合わせてください。
金属類や湿布、カイロ等があると、その付近が画像上で黒く抜けてしまい、画像情報が得られなくなってしまうため、外して再度撮影を行うことがあります。検査前には確認させていただきます。
検査時間は5分程度です。
造影CT
血管内の血栓は血液とエックス線透過性がほとんど変わらないため、単純CT検査では診断が困難なことがあります。しかし、造影剤を用いることによってこれらの病変も明瞭に描出され、より正確な診断が可能となります。
検査終了後に3D画像を再構成することで、血栓の有無や血管の走行、狭窄や閉塞を立体的に評価できるようになります。造影検査が必要と判断された際には、採血により腎臓の機能の確認や直前の食事状況などを伺います。
- ※造影剤はお小水として体外に排出されます。その際に腎臓の機能が低下していると、造影剤を上手く体外に排出できない可能性があるため、腎臓の機能を確認します。
- ※造影剤を使用すると状態によっては吐き気などを感じる場合もあるため、嘔吐による誤嚥などのリスクを避けるために、食事後3~4時間ほど空いた状態での検査が望ましいです。
造影CT検査を受ける方で次に該当するとき、場合によっては慎重に投与するか、造影剤を使用しないで検査を行う場合があります。
- 以前に造影剤を使用して気分が悪くなったり、じんましんが出たことがある。
- 重症なアレルギーがある。
- 5年以内に気管支ぜんそくがある。
- 甲状腺疾患や心臓病、肝臓病、腎臓病、糖尿病などの病気があり、薬を飲んでいる。
造影剤を用いることで、
大動脈における血管の動脈瘤や乖離などを評価しています。(A)
骨盤から足にかけて血管の狭窄や閉塞などを評価しています。(B)
深部静脈血栓症の評価をしています。(C)
深部静脈血栓が心臓に流れ、その後肺動脈に血栓がとんでいるか評価をしています。(D)
脂肪測定検査
体を構成する物質の臓器や筋肉、脂肪、空気、骨などはX線の吸収度合が異なり、その吸収差を用いてCT画像は構成されています。
おへそ部分では一般的に臓器がなく腸管(小腸や大腸)と筋肉、骨と脂肪で画像を評価できます。そのため、画像濃度を脂肪の範囲に合わせることで脂肪部分の面積を表せるようになります。
腹囲が同じであっても内臓脂肪、皮下脂肪の量の違いにより危険度が異なります。また、身長と体重からBMIと標準体重を算出しており、これらを踏まえたうえで総合的な評価を行い、検査結果をお渡ししております。
総合所見 | 内臓 脂肪 |
BMI | |
---|---|---|---|
A | あなたの内臓脂肪は、正常範囲内です。油断は禁物です。 健康な今の値を維持してください。 |
正常 | 正常 |
B | BMIは超過していますが内臓脂肪が少ない為、比較的リスクは少ないと考えます。しかし、皮下脂肪が多いという事ですので少しずつでも食事・運動などで落としていきましょう。 | 正常 | 超過 |
C | BMIは正常ですが、内臓脂肪は多く内臓脂肪蓄積と診断されます。積極的に内臓脂肪を減らしていきましょう。 | 超過 | 正常 |
D | 内臓脂肪蓄積が多くハイリスクです。健康の為にもカロリーオーバーに注意し、有酸素運動にて内臓脂肪を燃焼しましょう。 | 超過 | 超過 |