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慢性疼痛治療(エコーガイド下治療・カテーテル治療)

慢性疼痛:長く続く痛み
慢性疼痛とは、首・肩・腰や下肢などに痛みが長く続くものをいいます。通常は痛めた原因の治療などを行いながら自然に痛みは消えていきますが、さまざまな要因により3カ月~6カ月以上痛みが続く場合をいいます。

神経を巻き込む癒着に対するカテーテルや超音波を用いた治療とは!?

Qそもそも「痛みの治療」とは?

痛みの治療にはさまざまな方法があります。ストレッチやマッサージ、整骨院での治療など自分で行うものも含め身近なものから、医療においては薬物治療・リハビリや整形外科的な治療・ブロック注射等の麻酔治療などがあります。しかし、“病名がつかない原因不明の痛み”や“治らない痛み”に悩んでいる方も多くいます。
また“しびれ”も軽度の痛みともいえる場合もあります。痛みを感じるのは神経なので、痛みには原因となっている神経があります。
今回は、さまざまな部位の神経が関係する痛みに対する治療、「カテーテル治療や超音波機器を使用して行う新しい治療法」について3つ紹介します。

①ハイドロ(筋膜)リリース
―筋膜間の細い神経が関わって、首・肩・腰や全身の痛みの原因となるものに―

筋肉は、それぞれ筋膜に包まれていて、お互いにすべりやすくなっています。筋膜周囲には細い神経が走行しています。この部分に癒着が起きるとすべりやすさが障害され、また神経も巻き込まれるため、痛みの原因となります。
これに対する対処法としてエクササイズ、マッサージ、整骨院などでの施術も「膜をはがす」という広い意味で筋膜リリースと呼ばれています。医療分野では、超音波を用いて筋膜の層を一つ一つ確認しながら細い針による注射で「筋膜を薬液によりはがす」方法が「ハイドロ(筋膜)リリース」と呼ばれています(図1)。超音波で確認できる部位であれば、マッサージなどが届かない深い部分にも治療が可能です。また、鍼治療などではできない薬液による治療が可能なことも利点といえます。筋膜性の痛みや腱の付着部分の炎症、例えば肩こりなどに対し、これまでの治療で効果がなかった場合にも有効な例が多いことが特徴です。「ここが痛い」「ここが凝っている」と痛みの部位がはっきりしている場合や、圧痛(指などで圧迫したときに出る痛み)を感じる場合に特に有効で、痛みの原因をリセットすることができます。

ハイドロ(筋膜)リリース1
ハイドロ(筋膜)リリース2

超音波ガイドで確認しながら、癒着した筋膜の部分に液性剥離を行います。針は細いもの(太さ0.4mm)を使用します。右の超音波画面の“矢印”が針・“青い部分”が注入された薬液のイメージを示しており、さまざまな深さの筋膜層に治療が可能なことが特徴といえます。

②硬膜外腔癒着剥離術(保険診療)
―脊髄周囲や神経根周囲の太い神経の癒着が関与し、下肢などの痛みの原因となるものに―

硬膜とは脊髄(せきずい)を覆っている膜で、硬膜外腔とは硬膜の外側の空間です。この部分に癒着があると、“神経の癒着による痛み”が起きるため、腰から足までの下肢の痛みやしびれなどの原因となります。
これらの神経周囲の癒着による痛みは、単独でも起こりますが、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの病気に伴っていることもあり、脊椎の手術後に残る痛みの原因となることもあるといわれています。治療は、レントゲンで確認しながら細いカテーテルを硬膜外腔に沿って目的の部位まで挿入し、硬膜外組織に薬を注入し痛みの原因となる癒着を剥離します(図2・3)。欧米では以前より行われていて、2018年4月から日本でも保険適応になりました。

硬膜外腔癒着剥離術1
硬膜外腔癒着剥離術2

レントゲンで確認しながら、腰椎の間の硬膜外腔に癒着した部分まで細いカテーテルを挿入します。に液性剥離を行います。右の図は、柔らかいカテーテル先端からシャワーのように注入された薬液により癒着が剥離されているイメージ図です。

③運動器カテーテル
―もやもや血管と呼ばれる炎症を伴う異常血管と一緒に伸びる毛細な神経が関与し、あらゆる運動器の痛みの原因となるものに―

五十肩や腰痛、膝の痛みや頑固な肩こりなどの治りにくい関節周囲の痛みの原因に“もやもや血管”と呼ばれる異常血管が関与することがあります。痛みの原因となる“もやもや血管”は、神経を伴って異常な増生をする性質があるため、神経性の痛みの原因となることが考えられています。
これらの異常血管・神経は初期には消えやすい弱い組織ですが、くすぶって長期化するとなかなか消えなくなります。このような病態に対し、血管内から細いカテーテルを用いてアプローチし、「もやもや血管」へつながる細い動脈へ薬剤を注入し「もやもや血管」を消す治療を行います(図4)。ヘバーデン結節などの関節痛や帯状疱疹後神経痛、最近ではコロナワクチン接種後の肩の痛みにも応用されています。

治療前
運動器カテーテル1
治療後
運動器カテーテル2

肩の痛みの原因となっている「もやもやした毛細血管」に薬剤を投与し、もやもや血管が消えて痛みが消失した例

まとめ

「さまざまな部位の神経を巻き込んだ癒着」や「もやもや血管と呼ばれる異常血管とともに増えた神経」が関係する痛みの治療についてご紹介しました。超音波やカテーテルを用いてアプローチするこれらの治療法は、「痛みの原因をリセット」できることが特徴です。治療が適していれば、慢性疼痛に悩む患者さんにとって役立つ治療方法といえます。

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